【漫画感想】第32話「おっさん、魔術を斬る!」(話売り#34)|『片田舎のおっさん、剣聖になる』感想
『片田舎のおっさん、剣聖になる』第32話「おっさん、魔術を斬る!」の感想です。
第32話「おっさん、魔術を斬る!」 は話売り#34に掲載されています。
第32話「おっさん、魔術を斬る!」
ついに!満を辞して、学院教頭ファウステスとの正面対決です。
ルーシーの弟子でかつて魔法師団のエースでもあったファウステスは、ルーシーを除けば最強と言っても過言ではない大魔術師。間違いなく作中最強クラスの強者の一人です。

ベリルがモブや格下相手に無双するのもスカッとしますが、やはりシュプールの時のように強者同士の真剣勝負の方が見応えがありますね。強者との戦いの間に、ベリルがふと自分の世界に没入して、なにかしらを学びとっている”ヤベー奴感”が漂う描写も個人的には結構好き。
そして、ゼノ‧グレイブルの魔剣も魔術師/魔術相手に初舞台とくれば、なかなかの盛り上がりですよ。シュブール戦ではベリルも万全ではなかったし、お互いに剣士ということでゼノ‧グレイブルの魔剣はあくまで”めちゃめちゃ切れ味と耐久性の優れた名刀”くらいの感じでしかなかったからな。魔剣としての能力に期待が高まるところ。
ただ、今回は”魔術を切れる”,”切った魔術は無効化される”という程度の一般的な(?)魔剣の能力だけが描かれ、ゼノ‧グレイブルの魔剣の固有能力はお預けだったあのでちょっと残念かな。

多分、ゼノ‧グレイブルの名前はアップショット‧ノットホール作戦のグレイブル実験から取られている(ゼノ‧グレイブルの性質からしても)だろうから、相当すごい能力が秘められているはず。期待して待っておきましょう。
ファウステスの剣魔法嫌いの理由も明かされ、彼の剣魔法を否定したい想いと、それでもベリルの剣に希望を見出したい葛藤と、というあたりもなかなか良かったかな。まあ、ファウステスの回想はよくあるお話という感じだったけど、あまりその辺りを深ぼっても話が脇道に逸れるし、あのくらいがちょうどいいんだろうね。
一騎打ちの後のファウステスのベリルを受け入れる感じはよかったね。直接言葉で認めるというわけではなく、行動で示す感じ。
と、まあ結構見所のある第33話でしたが、最後に全てを掻っ攫ってしまったのが、
新たなネームド”ロノ‧アンブロシア”。対峙した相手の危険度に応じて、生み出される影によってその形を帰る異形の魔獣。

その”ロノ‧アンブロシア”がベリルと対峙した際にとった形態が、人の影。一人の人間の剣士の姿でした。
圧倒的な強者感が滲み出るこの人の姿…。今回の話の冒頭でルーシーがかつて自分を負かした剣士”剣聖”の話をするシーンが挿入されていたし、もしかして”ロノ‧アンブロシア”は剣聖を模しているのだろうか。心なしか、ラフィの話に出てきた剣聖の格好にも似ているような…。
”ロノ‧アンブロシア”がどういう理屈で影の擬態をしているかはわかりませんが、これが仮に本当の”剣聖”であれば、ベリルとの対決が楽しみすぎる!!