『幼女戦記』第八十六章:親善訪問Ⅲ 感想:ヴィーシャとドレイクの一騎打ち!!危機に現れたのは…

『幼女戦記』第八十六章:親善訪問Ⅲあらすじ紹介

『幼女戦記』第八十六章:親善訪問Ⅲあらすじ紹介

・ターニャから第一中隊を託されたセレブリャコーフが義勇軍ドレイク中尉 率いる多国籍部隊と遭遇。ヴィーシャは隊を分断し、自身は08と共に敵指揮官機を狙うも、ドレイクの術式により08が被弾。単騎でドレイクと交戦することを決める。
・第二〜第四中隊の前には、義勇軍エリート魔道士<<円卓>>のメンバーが現れる。絶対的な自信のもとに戦場を飛ぶ3人の<<円卓>>たちだったが…。一方、その頃 第四中隊と行動を共にしていたターニャの耳に第一中隊の戦況が届く。
・ドレイクと一対一の魔導戦を繰り広げるヴィーシャ。交戦中にヴィーシャは、ドレイクの戦い方にサー・アイザック・ダスティン・ドレイクの面影をみる。善戦むなしくヴィーシャはドレイクの強さに窮地に立たされるが…。

内容&見どころ

・持ち場を託されたヴィーシャのターニャとの誓いを果たそうとする姿が健気!!
・ドレイクをして卓越した魔術師と言わしめるほどのヴィーシャの活躍が痛快!!
・義勇軍のエリート<<円卓>>の力がヴェールを脱ぐ!!?
・ヴィーシャの危機に訪れたのは…??真打ち登場、戦いの行方は!!?

『幼女戦記』第八十六章:親善訪問Ⅲは『コンプエース』2023年3月号に掲載されています。

『コンプエース』2023年3月号

『幼女戦記』第八十六章:親善訪問Ⅲ感想

“円卓”が参戦!! その実力は!!?

さて、今回の話では連合に所属するエリート集団(らしい)である”円卓”が前線に出てきます。ドレイクすら一目を置いている魔導師たちとのことで、彼らの強さに関しては多少楽しみにしていたのですが…

正直、期待はずれも期待はずれ。彼らの実態は戦場経験もない素人同然のかませ犬キャラでした。実際は彼らもそれなりのレベルの魔導師なのでしょうが、それ以上に第二〇三魔導大隊の魔導師、特に中隊長クラスの実力が卓越しすぎているのでしょうね。円卓は、エリート教育を受けてはいるのでしょうが…まあ相手が悪かったとしか言いようがないのかな。彼らの過剰とも言える自信がまた、残念感を加速させますね。

こうなってくると連合側の戦力はやはり大したことないのかな。危険なのはメアリー・スーと元々名のしれたエース級くらいのものかな。

もしかするとジュガシヴァリ以外にも存在Xの恩寵を新たに受ける存在が出てくるかもしれないけれど…。う〜ん、存在Xはどの程度この戦争に介入してくるつもりなんだとうなぁ。

ヴィーシャvs.ドレイク。危機に現れるのは…

前号で、ターニャから第一中隊を任されたヴィーシャと、彼女を『白銀』だと勘違いしたドレイクが接触しました。当然、会敵すれば戦いは避けられないわけですが、この戦いでヴィーシャの魔導師として、そして指揮官としての目覚ましい成長が見られました。普段は絶対的強者であるターニャと共にいるので、彼女個人の力が明確になる機会はあまりありませんが、今回はエース・オブ・エース級とされる強者ドレイクと単独でわたりあわなくてはなりません。

実際に交戦をした上でもなおドレイクに『白銀』であると思わせ続けたその判断力、指揮力、そして戦闘力はなかなかの物。まあ、交戦中にドレイクはラインの悪魔の脅威性は単体ではなく大隊戦力込みのものだと評価してはいますが…。とはいえ敵の一線級の魔導師から間違いなく”並みではない”、”強力な魔導師”だと評価をうけたのは確か。読んでいて痛快でしたね。

ヴィーシャが”竜の咆哮”を防いだ際の”なんという魔力量っ!!”とドレイクがいう場面などは、初期のヴィーシャの姿を知っている立場から見るとなんとも感慨深いもので…。

最初はヴィーシャは08とともに2機で敵 指揮官機であるドレイクを落とそうとしますが、竜の咆哮によって08が被弾、その戦域を離脱したことで、ヴィーシャとドレイクの一騎打ちとなります。ヴィーシャは一応ドレイクに対話を試みますが、残念ながら取りつく島もなく(叔父の一件もあってのことかな?)…激戦が開始。この二人の戦いはなかなかに見応えがありましたね。やはりスコップと銃の二刀流はシュールですがね(笑)

しかし、善戦するもののヴィーシャの実力はやはりドレイクには及びません。地力の差が出て、最終的にはヴィーシャは追い詰められてしまいます。そこで、はじめて彼女はドレイクが自分のことを『白銀』だと勘違いしていることを知るのですが…あそこでコミカル要素を入れてくるのはさすが『幼女戦記』。影絵のヴィーシャの高笑いとあの手つき、相手を馬鹿にしているにもほどがある。まあ、おかげでシリアス展開というか最悪の展開にはならなさそうだとは安心しましたけどね。

追い詰められたヴィーシャでしたが、もちろん彼女の危機を聞きつけたエースが駆けつけます。これで、少なくともターニャ不在時にヴィーシャ戦死という事態はなくなり少し安心しています。次号からはターニャとドレイクの一騎打ちかな。

ここまでの感じを見るだけだと戦闘力的には ターニャ>>ドレイク>ヴィーシャという感じがしてしまうのだけれど、ドレイクもまだ全力を出していたわけではないだろうし、ターニャとどんな戦いを繰り広げるのかは楽しみです。ただ、少なくともここでドレイクが戦死退場という展開もなんとなくなさそうな気はするんだよなぁ。恩寵を受けたジュガシヴァリがどういう動きを見せるかも気がかりなところ。

とはいえ、今回のエピソードでは何を置いてもヴィーシャのぶれることのないターニャへの敬愛がよかったですよね。今の彼女の行動原理はほぼ全てターニャ、彼女と交わしたラインでの約束、誓いですからね。本当に、いつの間にやら一人の立派な軍人に成長しています。前回の話でもいじられていましたが、まさしく良妻のごとくターニャを支えるヴィーシャ。ターニャが助けに現れた際のデフォルメ絵はもはや軍人の顔ではなく救出されるお姫様のそれだった(ご丁寧に手間で胸の前に揃えちゃって(笑))し、最後のコマの眼差しなど完膚なきまでに恋する乙女でしたからねェ。

ちなみに、今月号の『コンプエース』には本編第86章に加え、ヴィーシャのことが語られる外伝08:セレブリャコーフ少尉欠席裁判Ⅱも掲載されています。


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