【漫画感想】『死亡遊戯で飯を食う』REC.026 |御城との因縁の再会。二人の衝撃の結末!? |

『死亡遊戯で飯を食う』REC.026 の感想です。

『幼女戦記』REC.026は『コンプエース』2025年11月号に掲載されています。

因縁の再会 幽鬼と御城

ゴールデンバス編のクライマックス。前話で幽鬼の誤算から、玄関チームによる一方的な制圧を許してしまうことになりました。そこで、幽鬼は玄関チームのリーダーであるある人物と再開することになりました。

次々と参加者が死んでいくこの死亡遊戯の中で、かつてあるゲームで共闘しお互い生き残った因縁の相手である御城との劇的な再会です。特に、幽鬼と御城とは、抱いた感情の性質に隔たりはありますが、お互いに相手に対して特別な感情を抱きあっている唯一無二の存在です。そんな御城との再会という非常に劇的な展開でしたが、今回の話の終わりではそれを超えるさらに劇的な展開が待っていました。

四十回プレイヤー御城の執着

幽鬼と御城がお互いがお互いにとって数多いる参加者の中でも特別な存在だと書きましたが、特に前章において幽鬼に圧倒され”敗者”となった御城からの幽鬼への執着は並々ならないものです。

もはや、幽鬼への執着は、歪んだ愛情、神聖視の域まで到達しており、幽鬼のあまりに不甲斐なく情けない姿に、優越感や、あるいは失望すらも遥かに超越した我を忘れるほどの激しい怒りを感じます。

この御城の幽鬼に対する度の過ぎた執着こそが今回の信じられない結末を導くことになってしまいます。

そもそも御城は突出した個のプレイヤー型の幽鬼とは異なり、チームを率いる将型の人物ですから、幽鬼への怒りに我を忘れて将としての役を降りたこと、他の玄関チームのメンバーに手を出さないように命じ、自らの手で幽鬼を始末しようとしたところが転機だったんですよね。

幽鬼への敗北は御城にとって思った以上に大きなものだったようで、それ以降の御城にとって幽鬼は過言でもなんでもなく、”生きる”目的そのものだったようです。そのあたりは今回の御城の回想シーンでしっかりと描かれていました。狸狐との出会いも含めてね。個人的には御城への好感度がかなり上がったんですが、まさかこんな展開になるとは、誰が予想しただろうか…。

ちなみに、驚くべきことに御城は既に30回の壁を越えた四十回プレーヤーとなっています。当然、そこに至る過程は楽なはずはなく、過酷なゲームを”幽鬼を倒すこと”だけを心の支えに、生き延びるうちに、その執着は愛情とも言えるようなものに、そして劣等感は憧憬から、さらに崇拝にも近い気持ちにまで歪んでいっていったようです。

そういえば、今回御城は幽鬼のことを「キャンドルウッズの生き残り」と言っていましたね。キャンドルウッズは幽鬼が御城と会う一回前に参加したゲームですから、わざわざ調べたということなのかな

御城は”奈落から這い上がった自分がさらに神がかった幽鬼を互いに全力を出し合った上で倒す”という理想を夢想していました。

とにかく、御城は強さと魅力を備えたキャラクターたちが使い捨てかのように登場してはすぐに死亡退場していく中で、数少ない章を越えて生きのびた人物で、主人公の幽鬼に並び立ちうる重要なキャラクターになりそうな人物です。今回の話でさらにその人物像も深められましたし…。

そこにきて、今回のこの信じられない展開。さすがに何かしらのミスリーディングなのではないかと思いますが…。そうでないと”じゃあ、あれはなんで?”なんて疑問が色々と尽きないしなぁ。

ただ、白士と違って理由がないし、そもそもあの流れでは御城にとってもそうする利が見えないんですよねぇ。それに狸狐が切ないし…。ただ、この”切ない”というのが、作品のテイストと合うから、心配ではある。

三十の壁突破目前に幽鬼に目覚めた新たな感情

一方、幽鬼側からすると御城のことはある程度印象には残っているものの、あくまで過去にうちのめした格下プレイヤーの一人程度の認識だったのでしょう。直接絡んだということで少し印象が強い程度のね。御城が四十回プレイヤー(ある程度”大物”側のはず)であることも知りもしなかったくらいですし。

ただ、実は前章で御城の”ある行動”が幽鬼に初めて感じる特別な感情をもたらしています。幽鬼は無自覚だったのでしょうが、読者視点で”因縁”と感じるのは、このやりとりがあったからなんですよね。

そして、”因縁の相手”の名に  ず、今回の件で御城は幽鬼にある感情を起こさせることになります。その感情というのは”悔しさ”です。

なんとなく、これまでただただ淡々と(キャンドルウッズの際は別として…)ゲームクリアを目指していただけのような印象で、どこか他人事というか、まさに”ゲーム”をプレイしている感じもありましたが、”悔しい”という新たな感情に目覚め、ここにきて一皮剥けたような感じです。勝ちへの執着というか、生き汚なさみたいなものを得て…これが三十の壁を越えるのに必要な要素だったのかな。

そもそも、今回が三十回の壁とわかっていて、なぜ幽鬼は気が抜けて(?)しまっていたのかということですからね。

幽鬼が反撃に移った際に、なんとなく御城が嬉しそうな表情をしていたようにも見えましたね。この二人の因縁はどうなるのか。この展開のままではあまりにあっさりし過ぎているようにも…。

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