【漫画感想】幽鬼30回の壁を突破!!?『死亡遊戯で飯を食う』REC.027-2

『死亡遊戯で飯を食う』REC.027-2 のレビュー感想です。

“一言あらすじ” :『死亡遊戯で飯を食う』REC.027-2

御城の死を知って復讐心に狂い文字通り殺人ロボットと化した御城の弟子狸狐。その義肢から放たれる攻撃を受け、両腕を骨折するなどの重傷を受け満身創痍となった幽鬼だったが、なんとか反撃に出て狸狐を怯ませることに成功する。狸狐を振り切って下駄箱に辿り着いた幽鬼は….

狸狐との戦いの結末

幽鬼と狸狐との戦いも決着がつきました。狸狐側からするとちょっとあっさりしすぎな結末の気もしました(漫画的には)が、こんなものなのかな…。そうはいっても、最終的に幽鬼が受けた身体的ダメージを考えると、戦い自体は間違いなく過去屈指の熾烈なものでした。

狸狐がスリッパを二足使った際の幽鬼の”贅沢しやがって”は、シリアスに読むべきところなのでしょうが、そのワードチョイスになぜかクスリと笑ってしまいました。

というか、そもそも狸狐は死んでしまったのですよね。普通に考えれば他のプレイヤー同様、床に触れるだけで感電死ということなのでしょうが、”少なくとも”四肢全てが義肢である狸狐にとっては果たして致死になりうるのか…。御城の時と同様に、死亡を決定づけるような描写もなければ生死確認もしていないので、彼女らの生存の目はまだわずかながら存在します。でも…まあ、ないよね。

それにしても、本当に幽鬼と狸狐との戦いの幕引きはあっけないものでした。前話で狸狐の過去(御城との出会い)や内面について少しではありますが深掘りされたことからもう少し何かあるだろうなと予想していたので、”えっ、もう死んじゃうの?”と驚きました。

狸狐の回想にあったように御城は”自分を増やす”ために彼女を弟子にしたのですから、狸狐が生き残って御城の跡をつぎ、幽鬼への復讐を志すという線もあっただろうに…。でも、狸狐とすればここで死んだ方が幸せだったのかもしれませんね。結局、狸狐は”代わりを務め”られたのでしょうか?

次から次へと登場人物たちが消えていくこの作品でも、今の所、”師弟”関係を持つ人物たち(主人公である幽鬼は当然ですが)は、多少深掘りされる傾向があるようです。とはいっても、白士・幽鬼師弟以外の二組は全員すでに死亡ずみで、白士も死亡扱い(?)なのですが…。同じ”師弟”という関係性でも三組三様に全く異なった関係性なのが面白いですね。

30の壁を突破する

さて、狸狐の追撃をかろうじて躱し、ボロボロになりながらもゲーム<ゴールデンバス>をクリアした幽鬼は、同時に30回の壁を越えたことになります。これまでプレイヤーの前に立ちはだかる大きな壁として言及され続けてきたこの30回の壁ですが、意外とすんなり越えてしまいましたね。

回想にて白士の問いに対して彼女を担当するエージェントが30回の壁については運営側は何もしていない、と答えていましたが、実際にゲーム中には運営からプレイヤーに対する妨害工作などのような負の干渉はないようです(ゲーム開始直前の金子の父親の接触や、ゲーム中に油断するという幽鬼らしからぬ行動などが運営側の”仕込み”でなければの話ですが…)。

とはいえ、30回の節目で御城と敵同士としてゲームに参加するという形にはなんとなく運営側の作為的なものを感じずにはいられませんが…。どうやら運営はプレイヤーたち各々について色々と把握している様ですしね。御城の30回目のゲームが彼女のトラウマである犬に関するものであったのも偶然ではないのでしょう。

もしかすると、30回目のゲームは運営がプレイヤーに何かしらを”乗り越えさせて”、プレイヤーとしてさらに成長させようとしているのかもしれませんね。

30回達成と言ってもプレイヤーとして特別なにか変化があるというわけではないのでしょうが、とりあえず99回達成に向けて一つの山を越えました。幽鬼個人に関していえば、今回のゲームでいくつかの大きな変化を経験した様ですし…。ここから幽鬼がどんなプレイヤーに化けていくのか楽しみなところです。

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