【漫画感想】163 呪的逃走 | 『魔都精兵のスレイブ』感想

『魔都精兵のスレイブ』163 呪的逃走 の感想です。

「門」を見つけた優希は若雲に夜のお役目に呼び出された際に脱出計画を実行に移しました。正直、神たちの警戒心の低下は何かしらの思惑のある”罠”なのかと思っていたのですが、本当の本当に慢心して警戒が緩んでいただけだったんですね。普通に出し抜かれて、優希たちに「門」を通り抜けることを許してしまいました。

特に、若雲は肉欲に溺れていた節もあるから、より出し抜きやすかったのかも…。”人間の捕虜なんて、普通は初手解剖”なんて凄んで優希を脅していたのに、ざまのない展開になってしまいました。

紫黒ではなく若雲の日に計画を実行したのも、若雲の方が性格的に出し抜きやすいという判断をしたのかもしれませんね。ただ、若雲は紫黒よりもさらに気質が暗く、執念深いように思われます。力も呪いや呪詛方面に特化しているようですし。そんな彼女の不興を買ってしまうのは、相当危険な気も…。まあ、どの神であれ人間が不興を買って危険がないなんてことはないだろうけど。

それにしても、若雲の部屋を抜け出す際、若雲も優希も二人とも全裸で、完全に事後の感じが出ていましたが…もしかして、最後まで行ってるの??

で、優希の京香不在でのスレイブ化ですが…。

なんだか、あまり胸熱展開ではありませんでしたね。心の全てで京香を想うことで実現した奇跡…みたいな感じでしたが…なんだかね。

なんか八雷神含め普通に女の子全員にいい顔して、しかも良い思いまで散々した上で(八雷神への奉仕もまんざらでもないような感じだったし)、京香さんは特別なんですっ、アピールをされてもなんというか響かないというか…。もう少し、八雷神への奉仕と京香への忠誠との葛藤みたいなのがあれば、胸熱展開にもなったのかもしれないけど…。

とはいえ、京香がいなくてもスレイブ化しかも”貸し出し”までできるとなると物語的には色々と便利になりますね。正直、京香がいる必要性はどんどんなくなってきている感じもしますが…。スレイブが自ら主以外の人間に”貸し出し”を行うこと自体、主人への不忠以外の何者でもありませんしね。まあ、いいや。

さて、貸し出しの場合は”ご褒美”に京香も同席が必須だったはず。今回、京香に無断で朱々への貸出を行いましたが、結果としてこれは良い方向に転ぶかもしれません。

ご褒美の実行は問答無用で京香に働くので、以前にも一度ありましたが、その強制力が京香の体を自動でスレイブの居場所に連れていってくれるわけです。となれば、今回もスレイブ化が解かれれば京香は優希たちの場所がわかるということになります。

ただ、怒り狂った若雲の追撃にを朱々との”貸し出し”程度の力で凌げるのか…。

ただの醜鬼のように甘い相手ではありませんし、さらには紫黒ら他の八雷神の増援も考えられます。

八雷神たちがご褒美時間を待っていてくれるとは考えられませんし、彼らに隠れて実行するのも無理な気がします。とはいえ、正面からやり合って勝てる相手でもないので、一体どうなるのか。

それに、優希たちが「門」を通って出て場所はどこなのでしょう。優希と朱々曰く、「魔都」とも違うし、魔防隊への連絡も通じない場所らしい。ただ、醜鬼は大量に湧いてくるのだと…。この”追いかけている構図”が伊奘冉と伊弉諾のオマージュだとすると、これは黄泉の国(魔都)から逃げようとする男神・伊弉諾尊(優希たち)を伊弉諾に命じられた醜女(醜鬼)が追いかけるという状況になります。

そうすると、この場所は”黄泉平坂”ということになりますね。ちなみに、日本神話では伊弉諾が醜女を振り切ったのち、八雷神が黄泉の軍勢を率いてくる、という話になっているので…。もしかすると、『魔都精兵のスレイブ』でも、いよいよ魔防隊と八雷神の全面対決が始まるかもしれませんね。

created by Rinker
¥572 (2025/09/08 09:40:25時点 楽天市場調べ-詳細)

You May Have Missed