【漫画感想】#028矜持と教示 | 『The JOJOLANDS ザ・ジョジョランズ』感想

ジョジョの奇妙な冒険 第9部『The JOJOLANDS ザ・ジョジョランズ』#028矜持と教示 の感想です。

『The JOJOLANDS ザ・ジョジョランズ』#028矜持と教示 は『ウルトラジャンプ』2025年9月号に掲載されています。

ウルトラジャンプ 2025年 9月号 / ウルトラジャンプ編集部 (ヤングジャンプコミックスウルトラ集英社) 【雑誌】

隙間に潜むキーウェストのスタンド

新たな「溶岩」を狙う意志を明確にし、三つ目の勢力(?)として台頭したキーウェストのスタンド能力。かなり厄介かつ強力な力のようですね。

今の所判明しているのは”隙間に潜む”ことと、”強い力で圧迫する”こと。そして、このスタンドは複数の手を持ち、どうやら必ずしも繋がっていなくとも射程範囲内であれば(?)複数の隙間からこの手を出すことができるよう。

隙間というのが多少解釈の余地のある能力ですが、今の所 スーツケースとスーツケースの隙間、IDカードと服(体)との隙間に潜んでジョディオ達に襲いかかっています。もちろん、詳細な発動条件も設定されているのでしょうが、”隙間”というものをどう定義するのかというところで、能力の厄介さ、強力さが変わってきそうですね。

とはいえ、隙間なんてどこにでも溢れていますから、どちらにせよ相当厄介な能力であることは確かです。実際、ジョディオも足をやられていますし、チャーミングマンもまさに命の危機に瀕しています。唯一の救いは、パワー自体はスタンドとしては強い方ではないようで、ジョディオの足も傷を負wasあれたものの自分で立って歩ける程度のようですし、チャーミングマンも胸を潰されるの時間がかかっています。

ただ”隙間に潜む”使い方によって応用の効きやすそうな能力だけに、使用者のキーウェストの頭の良さが要になるのでしょう。直接の力比べに特化した能力ではないだけに、頭脳戦にもつれ込みそう。

キーウェストはハーバード卒の弁護士ですから、エリート中のエリートです。この先の駆け引きの期待が高まります。

ちなみに、キーウェストはハウラーからの指示にも一拍開けて返事をしている様子から、すでにハウラーを完全に見限ったようです。しかし、ハウラーも今回落ち目を脱しつつありますので、ジョディオたちを含め、三つ巴の戦いになりますね。

一時は達成目前まで漕ぎ着けた、ハスラーに自分から「サイン」させる、というジョディオたちの計画も残念ながらご破産して、キーウェストのスタンド能力によって、今度はチャーミングマンが殺されかけ、溶岩も奪われつつあると一転して危機的状況に陥ったジョディオたち。この予想だにしなかった逆転劇がジョジョシリーズの醍醐味ですね。一体この危機をジョディオたちがどう乗り切るのか。次号が待ちきれません。

初代ラトラートの残した日記と十字架

『ジョジョの奇妙な冒険』の魅力の一つに、主人公の味方側でなく敵側の人物であっても、追い詰められた時に、新たな力を得たり、活路が見出されるという展開があることがあります(あくまで個人の意見ですが)。

前話まで、キーウェストも行っていたように完全に『落ちていく』目しかないハウラーでしたが、起死回生の幸運が彼に舞い込みました。それが初代ラトラートの日記。

とは言っても、この日記自体は彼が子供の頃から持っていたもので、祖父からハウラー家の衰退の警告とともに与えられていました。ハウラーは祖父の警告に従い、日記を引き継いで以来何万回も読み返しては何十年にも渡って新たな「溶岩」を探していたようです。にも関わらず、見つからなかった…。

しかし、ハウラーはこの土壇場でついにもう一つの鍵となるあるものを手に入れます。それはハウラー家の礼拝堂の祭壇に飾ってあった十字架です。4つの端全てに穴が貫通している閃電岩(フルグライト)でできた十字架は地中に落雷が通過した『痕跡』だということをハウラーはついに読み解きました。

“閃電岩の十字架”か…。第1部の”石仮面”や第4部からの”スタンドの矢”、そして第7部の”悪魔のてのひら”に並ぶくらいゾクゾクするアイテムだな。第9部の鍵になるアイテムである”溶岩”は今のところスタンド能力を引き出したりなどという方向の力は確認できていませんので、ハウラーが戦いに有利になるような特殊な力を得ることはないでしょう。しかし、少なくともハウラーはすでに落ち着きと自信を取り戻しています。まだまだ、もうひとふた展開ありそうです。

さて、鍵になるのが、『痕跡』、『溶岩』、『落雷』。

溶岩と穴というと、思い出されるのはチャーミングマンの弟マウカの飲み込まれた”溶岩チューブ”。マウカもチャーミングマンの横で自転車に乗っていたはずが、靴と自転車を残して、引き寄せられたかのように溶岩チューブに引き込まれていきましたから。あの奥に”溶岩”があるのか…。ただ、今の所溶岩の性質は”金(富)を引き寄せる”ことしか明らかになっていません。そうなるとマウカが”富”に繋がる何かの要素があったということになるのでしょうか…。謎が深まりますね。

それにしても、今回ハウラーが初代ラトラートの日記から見出した答え。これが真実であるならば、ハウラーにも逆転の目が回ってくる可能性が出てきます。

しかし、ハウラーの祖父は『雷』の重要性と、書かれていたものが『見つけ方』であることを知っていた様子。その上で生涯かけて”新しい溶岩”を見つけることはできなかったという事実。そして、ハウラーは初代ラトラート広大な溶岩地帯の中で溶岩を見つけていたと結論づけているようですが、本当に溶岩の『見つけ方』を知っていたのであれば、なぜ”初代ラトラートの溶岩”を一つしか残さなかったのか…。溶岩についても、まだ一筋縄では行かなそうですね。

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